コミュニティ 2025年11月18日 読了時間: 6分

東京の真ん中で「はちみつ」が採れるって、本当?

uno mao
uno mao
株式会社COLBIO 編集者・ディレクター
食べることは、生きること。
北海道を拠点に、イベント企画・運営、編集者として活動中。
Instagram:https://www.instagram.com/______iiii__/

ビルの上の“小さな働きもの”と、皇居の“秘密の花畑”

「東京のはちみつ」、と聞くと、どんな場所を思い浮かべますか?

自然豊かな奥多摩(おくたま)や、緑の多い郊外の町でしょうか。

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でも、もし。

「銀座」や「新宿」の、あのデパートやビルが立ち並ぶ、まさに“東京のど真ん中”で、はちみつが採れているとしたら…?


「え、本当!?」

「だって、ビルの周りにはお花畑なんてないよね?」

「ミツバチって、田舎のきれいな場所にいるんじゃないの?」


そんな「?」が、たくさん浮かんできますよね。

その驚きこそ、私たちの「当たり前」をひっくり返す、最高の〈社会科見学〉の入り口です。

今日は、都会の空を飛び回る、小さな働きものたちの秘密を探ってみましょう。


ミツバチさん、ごはんはどこで食べてるの?

この謎を解くカギは、ミツバチさんの「行動力」と、私たちが知らない「東京の本当の顔」にあります。


1. ミツバチさんの、すごい「行動力」

ミツバチは、とっても働きもの。エサ(お花の蜜)を集めるために、巣箱から半径2〜3kmくらいの距離なら、元気に飛んでいくことができます。


2. 都会は「緑の砂漠」じゃなかった!

半径2〜3km。

例えば、もし「銀座」にミツバチの巣箱があったら、彼らはどこまで飛んでいけるでしょう?

地図を広げてみると、そこには「緑の宝島」がたくさん浮かんでいます。

  • 皇居(こうきょ): 言わずと知れた、東京の真ん中にある巨大な森!
  • 日比谷公園(ひびやこうえん)
  • 浜離宮恩賜庭園(はまりきゅうおんしていえん)
  • たくさんの「街路樹(がいろじゅ)」:


銀座の「マロニエ(セイヨウトチノキ)」、皇居のまわりの「さくら」、あちこちにある「トチノキ」や「ユリノキ」。これらは全部、ミツバチが大好きなお花の蜜をたくさん出す、立派な“蜜源(みつげん)”なんです。

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そう、私たち人間にとっては「ビルだらけの街」でも、空を飛ぶミツバチさんの目には、「あそこに行けば、皇居の森のごちそうがある!」「あっちには、日比谷公園のビュッフェがある!」と、魅力的なレストランがたくさんある街に見えているんですね。


都会のハチミツは、どんな味?

「なるほど、食べる場所は分かったけど…。都会のハチミツって、安全なの?」と、心配になるかもしれません。

でも、実は、都会のハチミツにはすごい“トクベツ”があるんです。

トクベツ①:「百花蜜(ひゃっかみつ)」の贅沢

田舎の広い畑だと、その時期は「レンゲ草だけ」「菜の花だけ」と、一種類の花の蜜が集まりがちです。

でも、都会のミツバチさんは、皇居のさくら、公園のトチノキ、ビルの屋上ガーデンのラベンダー…と、ありとあらゆるお花から、ちょっとずつ蜜を集めてきます。

いろいろな花の蜜がブレンドされた、まさに「東京だけのオリジナルブレンド(百花蜜)」。季節によって味が変わる、とっても贅沢なハチミツなんです。

トクベツ②:意外な「安全性」

驚くかもしれませんが、都会は田舎の農地よりも、「農薬」が少ないことがあります。

大きな畑では、作物を守るために農薬が使われることもありますが、都会の公園や街路樹に、広範囲の農薬がまかれることは少ないですよね。

だから、ミツバチさんたちも、安心して蜜を集められるんです。

今日から気軽にできるポイント

この「都会のミツバチ物語」は、遠い世界のファンタジーではありません。

私たちも、その物語にこっそり参加できるんです。


ポイント①:「地元のはちみつ」を探検してみよう!

  • 実は「銀座ミツバチプロジェクト」や「新宿みつばちプロジェクト」など、東京のあちこちで、ビルや屋上でハチミツを採る「都市養蜂(としようほう)」の活動があります。
  • デパートや地域のアンテナショップで、「〇〇産はちみつ」を探してみませんか?
  • 「これは皇居の桜の味がするかも?」「これは夏の街路樹の味かな?」と、親子で“東京の味”を当てるゲームをするのも楽しいですよ。


ポイント②:「街路樹(がいろじゅ)」を、見上げてみよう

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  • いつも何気なく歩いている、オフィスの前の並木道。
  • 次に歩くときは、ふと見上げてみてください。「あ、今、花が咲いてる!」「これって、ミツバチさんのごちそうかも!」
  • いつもの道が、ミツバチさんたちの「レストラン通り」に見えてくる。その“視点が変わる”ことこそ、最高の社会科見学です。


ポイント③:わが家のベランダも「おすそ分け」

  • もしベランダがあるなら、プランターに一鉢、「ハーブのお花(ラベンダーやミントなど)」を置いてみませんか?
  • わが家でハチミツが採れるわけではないけれど、「飛んできたミツバチさんが、ちょっとひと休みできる“給水所”」を、開いてあげる。
  • 私たちも、東京の生態系にこっそり参加できる、素敵なアクションです。

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ミツバチは、「つながり」のメッセンジャー


東京の真ん中で、本当にハチミツは採れていました。

ビルとビルの間を、公園から皇居へと飛び回り、緑の点と点を「線」でつないでくれる、小さなメッセンジャー。

彼らが運んでくる甘いハチミツは、「コンクリートだらけに見えるこの街も、ちゃんと自然とつながっているんだよ」と教えてくれる、大切な“しるし”なのかもしれませんね。


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