近所の直売所で見つける、“3つのトクベツ”
近所の道を歩いていると、ふと目にする「とれたて野菜」ののぼり。
小さな無人販売所や、農協(JA)のファーマーズマーケット。
「地産地消(ちさんちしょう)」という言葉、なんとなく聞いたことはありますよね。
「地元でとれたものを、地元で食べよう!」という、シンプルなスローガンです。
「体に良さそう」「なんとなくエコな感じ」…
そんな良いイメージはあるけれど、正直、いつものスーパーの方が安くて便利なこともあるし…。
「結局のところ、地産地消って、何がそんなに“よい”の?」
そんな素朴な「?」は、実はとっても大切な〈社会科見学〉の入り口です。
今日は、私たちの足元に眠っている「地産地消」の“トクベツ”な宝物を、一緒に見つけに行きましょう。
「地産地消」がくれた、3つの“トクベツ”
いつものスーパー(全国チェーンなど)も、もちろん便利で素晴らしい場所です。
でも、「地元の直売所」には、そこでは手に入らない、3つの“トクベツ”な価値が隠されています。
1. “トクベツ”に、おいしい!
理由:「採れたて」こそが、最強のごちそうだから
野菜や果物は、収穫された瞬間から、少しずつ味が落ちたり、栄養が減ったりしていきます。
いつものスーパーに並ぶ野菜は、遠くの産地から市場を通って、トラックで長い時間をかけて「旅」をしてきたものが多いです。
でも、地産地消の野菜は、昨日の夕方や、今朝採れたばかりのものが並びます。
この「畑から食卓までの近さ(=新鮮さ)」こそが、最高の調味料。栄養もたっぷりで、野菜本来の「甘み」や「香り」が、段違いなんです!
2. “トクベツ”に、お財布と地球にやさしい!
理由:途中の「お引越し」が少ないから
遠くの産地から野菜を運ぶには、トラックのガソリン代や、箱詰めする人のお給料、市場の手数料など、たくさんの「見えないコスト」がかかります。
地産地消は、この「お引越し」のコストが、ほとんどかかりません。
だから、農家さんも新鮮で良いものを、私たちも嬉しい価格で手に入れられることが多いんです。
そして、トラックが走る距離が短いということは、地球温暖化の原因になるCO2(二酸化炭素)を出す量も減らせるということ。お財布にも、地球にもやさしいんですね。
(この「食べ物が旅してきた距離」のことを、フード・マイレージと呼びます)
3. “トクベツ”に、楽しい!
理由:「物語」が見えるから
直売所は、まるで小さな「野菜の博物館」です。
「〇〇さんが作った、曲がったキュウリ」
「スーパーでは見かけない、珍しい紫色のニンジン」
「農家さん直伝の、『この食べ方が最高!』という手書きのPOP」
そこには、一つ一つの野菜に「作った人の顔」や「物語」がついています。誰が、どんな想いで作ったかを知って食べると、美味しさは何倍にも膨らみますよね。
今日から気軽にできるポイント
「でも、近所に直売所なんてあるかな?」
大丈夫。まずは「知る」ことからが、楽しい第一歩です。
完璧を目指さず、いつもの暮らしに「地元の宝物」をプラスする、3つのポイントをご紹介します。
ポイント①:親子で「地元のお宝マップ」を作ろう
- まずは、お散歩がてら、近所に「とれたて」のサインがないか探してみましょう。
- 「あ、こんなところに無人販売所があった!」
- 「このスーパー、地元野菜コーナーがあるね!」
- スマートフォンで「(あなたの町)+直売所」で検索するのもOK。
- 見つけた場所を、手書きの地図に書き込んでいけば、親子だけの「お宝マップ」が完成です!
ポイント②:「地元給食風メニュー」を作ってみよう
- もし、お子さんが保育園や小学校に通っているなら、ぜひ「給食の献立表」を見てください。
- そこには、「〇〇市でとれたジャガイモのカレー」のように、地元の食材がたくさん使われているはずです。
- そのメニューを真似して、「今日は、〇〇(あなたの町)の給食の日だよ!」と、地元で採れた野菜を使った料理を食卓に出してみる。子どもにとっても、身近で楽しい食育になりますよ。
ポイント③:「珍しい野菜」をあえて選んでみる
- 直売所で見慣れない野菜に出会ったら、チャンスです!
- 「これ、どうやって食べるんだろうね?」と、お店の人や農家さんに聞いてみましょう。(それが、地産地消の醍醐味です!)
- 失敗したって構いません。その「ワクワク」と「ドキドキ」こそが、家族の食卓を豊かにしてくれる、最高のスパイスです。
「いただきます」が、地元とつながる合言葉
地産地消が「よい」のは、「おいしい」「やさしい」「楽しい」という3つの“トクベツ”が、すべて私たちの足元に転がっていると、教えてくれるからです。
それは、遠くの誰かではなく、「自分の町の、〇〇さん」を応援すること。
それは、地球の裏側からではなく、「すぐそこの畑」から届いた命をいただくこと。
直売所で買った野菜を食べる時の「いただきます」は、
「〇〇さん、いつもありがとう!」
「私たちの町って、すごいね!」
という、地元とつながる温かい合言葉になるはずです。
まずは、次の週末、お散歩がてら「お宝」を探しに出かけてみませんか?


