コミュニティ 2025年12月5日 読了時間: 6分

「地産地消」は、結局なにが“よい”の?

uno mao
uno mao
株式会社COLBIO 編集者・ディレクター
食べることは、生きること。
北海道を拠点に、イベント企画・運営、編集者として活動中。
Instagram:https://www.instagram.com/______iiii__/
「地産地消」は、結局なにが“よい”の?

近所の直売所で見つける、“3つのトクベツ”


近所の道を歩いていると、ふと目にする「とれたて野菜」ののぼり。

小さな無人販売所や、農協(JA)のファーマーズマーケット。


「地産地消(ちさんちしょう)」という言葉、なんとなく聞いたことはありますよね。

「地元でとれたものを、地元で食べよう!」という、シンプルなスローガンです。

「体に良さそう」「なんとなくエコな感じ」…


そんな良いイメージはあるけれど、正直、いつものスーパーの方が安くて便利なこともあるし…。


「結局のところ、地産地消って、何がそんなに“よい”の?」

そんな素朴な「?」は、実はとっても大切な〈社会科見学〉の入り口です。

今日は、私たちの足元に眠っている「地産地消」の“トクベツ”な宝物を、一緒に見つけに行きましょう。

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「地産地消」がくれた、3つの“トクベツ”

いつものスーパー(全国チェーンなど)も、もちろん便利で素晴らしい場所です。

でも、「地元の直売所」には、そこでは手に入らない、3つの“トクベツ”な価値が隠されています。


1. “トクベツ”に、おいしい!

理由:「採れたて」こそが、最強のごちそうだから

野菜や果物は、収穫された瞬間から、少しずつ味が落ちたり、栄養が減ったりしていきます。

いつものスーパーに並ぶ野菜は、遠くの産地から市場を通って、トラックで長い時間をかけて「旅」をしてきたものが多いです。

でも、地産地消の野菜は、昨日の夕方や、今朝採れたばかりのものが並びます。

この「畑から食卓までの近さ(=新鮮さ)」こそが、最高の調味料。栄養もたっぷりで、野菜本来の「甘み」や「香り」が、段違いなんです!

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2. “トクベツ”に、お財布と地球にやさしい!

理由:途中の「お引越し」が少ないから

遠くの産地から野菜を運ぶには、トラックのガソリン代や、箱詰めする人のお給料、市場の手数料など、たくさんの「見えないコスト」がかかります。

地産地消は、この「お引越し」のコストが、ほとんどかかりません。

だから、農家さんも新鮮で良いものを、私たちも嬉しい価格で手に入れられることが多いんです。

そして、トラックが走る距離が短いということは、地球温暖化の原因になるCO2(二酸化炭素)を出す量も減らせるということ。お財布にも、地球にもやさしいんですね。

(この「食べ物が旅してきた距離」のことを、フード・マイレージと呼びます)


3. “トクベツ”に、楽しい!

理由:「物語」が見えるから

直売所は、まるで小さな「野菜の博物館」です。

「〇〇さんが作った、曲がったキュウリ」

「スーパーでは見かけない、珍しい紫色のニンジン」

「農家さん直伝の、『この食べ方が最高!』という手書きのPOP」

そこには、一つ一つの野菜に「作った人の顔」や「物語」がついています。誰が、どんな想いで作ったかを知って食べると、美味しさは何倍にも膨らみますよね。


今日から気軽にできるポイント

「でも、近所に直売所なんてあるかな?」

大丈夫。まずは「知る」ことからが、楽しい第一歩です。

完璧を目指さず、いつもの暮らしに「地元の宝物」をプラスする、3つのポイントをご紹介します。


ポイント①:親子で「地元のお宝マップ」を作ろう

  • まずは、お散歩がてら、近所に「とれたて」のサインがないか探してみましょう。
  • 「あ、こんなところに無人販売所があった!」
  • 「このスーパー、地元野菜コーナーがあるね!」
  • スマートフォンで「(あなたの町)+直売所」で検索するのもOK。
  • 見つけた場所を、手書きの地図に書き込んでいけば、親子だけの「お宝マップ」が完成です!

ポイント②:「地元給食風メニュー」を作ってみよう

  • もし、お子さんが保育園や小学校に通っているなら、ぜひ「給食の献立表」を見てください。
  • そこには、「〇〇市でとれたジャガイモのカレー」のように、地元の食材がたくさん使われているはずです。
  • そのメニューを真似して、「今日は、〇〇(あなたの町)の給食の日だよ!」と、地元で採れた野菜を使った料理を食卓に出してみる。子どもにとっても、身近で楽しい食育になりますよ。

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ポイント③:「珍しい野菜」をあえて選んでみる

  • 直売所で見慣れない野菜に出会ったら、チャンスです!
  • 「これ、どうやって食べるんだろうね?」と、お店の人や農家さんに聞いてみましょう。(それが、地産地消の醍醐味です!)
  • 失敗したって構いません。その「ワクワク」と「ドキドキ」こそが、家族の食卓を豊かにしてくれる、最高のスパイスです。

「いただきます」が、地元とつながる合言葉

地産地消が「よい」のは、「おいしい」「やさしい」「楽しい」という3つの“トクベツ”が、すべて私たちの足元に転がっていると、教えてくれるからです。

それは、遠くの誰かではなく、「自分の町の、〇〇さん」を応援すること。

それは、地球の裏側からではなく、「すぐそこの畑」から届いた命をいただくこと。

直売所で買った野菜を食べる時の「いただきます」は、

「〇〇さん、いつもありがとう!」

「私たちの町って、すごいね!」

という、地元とつながる温かい合言葉になるはずです。

まずは、次の週末、お散歩がてら「お宝」を探しに出かけてみませんか?

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