コミュニティ 2025年12月8日 読了時間: 5分

ご飯を冷凍するときは「熱々の冷凍庫」に入れておこう!

uno mao
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株式会社COLBIO 編集者・ディレクター
食べることは、生きること。
北海道を拠点に、イベント企画・運営、編集者として活動中。
Instagram:https://www.instagram.com/______iiii__/
ご飯を冷凍するときは「熱々の冷凍庫」に入れておこう!

家族で食べきれなかったご飯を「明日のお弁当に使おう!」と冷凍保存するとき、私たちはつい不安になります。


「熱いまま冷凍庫に入れると、電気代がかかるのでは?」

「急いで冷凍庫に入れると、他の食材が傷むのでは?」


そう思って、ご飯をテーブルに置いておくことが多いかもしれません。「

少し冷ましてからの方が、きっと親切だよね」という優しさからくる行動です。

でも、お米のプロの料理人さんは、みんな口を揃えて言います。


冷凍は、ご飯がアツアツの、炊きたてのうちに!


なぜ、熱いうちがいいのでしょう?

ご飯が冷めるのを待っている、そのわずかな時間の間に、白いご飯粒の中では、わたしたちの知らない小さな**「おいしさ逃亡事件」**が静かに始まっているのです!

今日は温度と時間の科学に迫ります。


1. ご飯の「老化」現象:おいしさがカチカチになる!

ご飯粒のモチモチを失う物語

ご飯の正体は、「デンプン」という小さな粒です。

  1. 炊く前:デンプンは水を吸えず、カチカチの寝ている状態です。
  2. 炊いた後:お湯と熱でデンプンが水を吸い、柔らかい**「モチモチの糊(のり)」に変身します。科学では「糊化(こか)」と呼びます。これが「おいしいご飯」の姿です!

ところが、ご飯が冷めていくと、このモチモチデンプンは元のカチカチに戻ろうとします。これを「老化(ろうか)」という現象です。

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老化デンプンの「ワルい温度帯」!

デンプンの老化が最も早く進んでしまうのは、冷蔵庫より少し高い**0℃から10℃**の、ちょっと冷たい温度です。

ご飯をテーブルの上でゆっくり冷ましていると、ご飯は「熱い→暖かい→ちょっと冷たい」という危険なトンネル(0℃〜10℃)をゆっくり通り抜け、モチモチを失っていくのです。


2. 急速冷凍のワザ:おいしさを「タイムカプセル」に入れる!

氷の粒を「小さく」凍らせる科学

熱いうちに冷凍庫に入れるのは、**老化が始まる前に、おいしさを「超低温でカチッと止めて封印する」**ことが目的です。

冷凍庫でご飯の水分は氷に変わりますが、ここで大事なのが氷の粒の大きさです。

  • ゆっくり冷やすと:氷の粒がゆっくりと大きく育ちます。この大きな氷の粒が、ご飯の細胞をブチブチと壊してしまい、解凍したときにパサパサになります。
  • 熱いうちに急いで冷やすと:冷凍庫の力で氷の粒が小さいうちにカチッと凍ります。これならご飯の細胞を傷つけません!

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💡 親子でチャレンジ!: 冷凍庫に金属製のトレイがあったら、その上にご飯を置くといいよ!金属は熱を早く伝えるから、ご飯の熱をサッと吸い取ってくれて、より早くカチッと凍らせることができます。これが「急速冷凍」のヒミツのワザです。


3. わが家の「おいしい冷凍ご飯」を作る3つの作法

最高の状態でご飯を「タイムカプセル」に入れるために、家族で実践したい3つのルールです。


作法①:ご飯は「ペタンコに、一膳分ずつ」包む

厚いと冷凍に時間がかかり、真ん中だけ老化が進んじゃう!冷凍の成功は「スピード」であることを体で覚えよう。ラップでできる限り平たく、薄く包もう。(厚さ3cm以内が理想)


作法②:空気を「ゼロ」にする!

空気に触れると、ご飯が乾燥したり、黄色く変色したりするよ。おいしさは、外部の環境から守るための「ピタッと密着力」にかかっているんだ。ラップの上からさらにジッパー付き保存袋に入れて、空気をしっかり抜こう。


作法③:解凍は「蒸気のお風呂」でふっくら復活!

モチモチデンプンを元に戻すには、水(蒸気)と熱が必要です。レンジで温めるときは、ラップは開けず、そのままチン!ご飯から出る蒸気がラップ内に閉じ込められ、ふっくら復活します。蒸気は、ご飯にとっての「水分補給」なんだね。

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ご飯の冷凍保存に隠された秘密は、デンプンという小さな物質が起こす、温度による化学変化でした。


「ご飯をアツアツのうちに冷凍庫へ」という一見、乱暴に見える行動の裏には、「デンプンの老化をさせたくない!」という科学に基づいた、おいしさを守るための強い意思があります。


「どうして、熱いのに入れなきゃいけないの?」


この素朴な疑問を科学で知るだけで、私たちの食卓から「パサパサで美味しくない」という小さな後悔を減らすことができるのです。それは、毎日の暮らしの中で、「おいしさ」という大切な価値を守ることにつながります。

冷凍庫は、ただの「寒い場所」ではなく、わたしたちの食卓の「おいしい状態」を未来へ封印してくれる、タイムカプセルになるはずです。

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